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廃棄物の資源化をアシストする法改正と各種制度の動き
廃棄物の資源化に向けて積極的に取り組む、先進的な産業廃棄物処理・リサイクル事業者の動きを意識しつつ、環境省では廃棄物処理法の改正(平成23年4月1日施行)、電子マニフェストや優良産廃処理業者認定制度の普及などの新たな施策に取り組んでいる。
今回の法改正では、廃棄物処理施設の維持管理対策の強化や排出抑制の徹底等に加え、廃棄物の資源化や循環的利用をより推進するための措置等が講じられたところである。このうち、廃棄物の資源化や循環的利用の推進と、その資源化等の前提となる廃棄物の適正処理推進に向けた法改正のポイントは大きく分けて次の3つである。
平成23年4月1日から施行される廃棄物処理法の改正内容のうち、廃棄物の資源化や循環的利用の推進と、その資源化等の前提となる廃棄物の適正処理推進に向けた改正のポイントを示したもの
資源の再生利用を後押しする廃棄物処理法の改正
1つ目は、廃棄物の輸入ができる対象者の拡大だ。従来、国外廃棄物を輸入できるのは産廃業者や産廃処理施設を設置している業者だけだったが、改正後は、途上国で適正処理が困難な自社等の廃棄物の処理について、産廃業者等に委託して行う事業者も輸入できるようになった。これは、アジア全体における環境負荷低減と資源確保にもつながる。
2つ目は、廃棄物を排出する事業者による廃棄物の適正処理確保のための制度等の創設だ。廃棄物を単なるゴミとしてではなく資源として活かしていくためには、廃棄物を排出する事業者自らが廃棄物の処理に関心を持ち、適正な処理の推進に努力する必要がある。
そのための制度として、まず、排出事業者が産業廃棄物を事業所の外で保管する際の事前届出制度を創設した。事前届出制度の対象となる産業廃棄物は、建設工事に伴い生じる産業廃棄物であって、保管場所の面積が300u以上のものに限定される。また、建設工事に伴い生じる廃棄物の元請業者への処理責任の一元化も行った。建設業では元請業者、下請業者、孫請業者が存在しており、個々の廃棄物について、処理責任の所在が不明確だったが、今回の改正によって、建設工事から生じる廃棄物は、元請業者が自ら処理するか、その運搬・処分を許可業者に委託しなければならないことが明確になった。
法人の従業員等が不法投棄を行った場合の罰則の強化も行われ、従業員が所属する法人に科される罰金が1億円以下から、3億円以下へ引き上げられた(平成22年6月8日から先行施行)。
3つ目は、廃棄物の処理工程から熱を効率的に回収できる事業者を、熱回収施設設置者として認定する制度の創設である。認定を受けた者は、熱回収施設および能力の優秀さを公的に担保されることとなる。この制度は、循環基本法の基本原則を踏まえ、3Rを図りつつ、焼却時の熱回収実施を徹底させることをねらいとしており、今後、意識の高い排出事業者がこうした認定業者に処理委託を行うケースが増えることを期待したい。
注目される、認定制度を活用した優良な産廃処理業者選び
排出事業者には自らの産業廃棄物を適正に処理する責任があり、それは産廃処理業者に処理を委託しても、免れることはできない。そのため、委託先の産廃処理業者の信頼性を自らの責任で見極める必要がある。
環境省では、安心して委託できる処理業者をより探しやすくするため、2011年4月より新たに「優良産廃処理業者認定制度」を施行する。本制度は通常の許可基準にプラスして優良基準をクリアした優良な産廃業者を都道府県・政令市が審査して認定する制度だ。
新制度では、従来運用してきた旧制度に比べ優良基準が強化されている。例えば、処理業者は低公害車や熱回収施設の導入状況を公表することとなったほか、受入量や搬出量等の数値を明確化した処理工程図を公表することになった。物質収支の透明性も高まり、排出事業者は希望する処理内容になっているかや、不適正ルートへ流出していないかを確認でき、リサイクル率・CO2削減状況の把握なども可能になった。また、自己資本比率や経常利益金額などについての基準も設けられ、財務体質が健全で安心して委託できる処理業者がさらに探しやすくなった。
また、厳しい基準をクリアした優良認定業者にとっても、例えば、通常5年の許可の有効期間が7年に延長されたり、日本政策金融公庫から設備投資のための低利融資を受けられるなどのメリットがある。
優良認定業者の情報は、産廃情報ネットの産廃処理業者検索「さんぱいくん」で得られ、許可自治体や廃棄物の種類などを検索条件に、簡単に探せる。
廃棄物を資源として活用していく時代に向け、産廃処理業者選びはますます重要になってくると思われる。産廃処理業者および排出事業者による本制度の積極的な活用が望まれる。
事務処理コスト軽減にも役立つ電子マニフェスト制度
廃棄物処理法では、廃棄物の適正処理に向け、排出事業者が産業廃棄物を委託処理する場合、紙の産業廃棄物管理票(マニフェスト)または電子マニフェストを使って、最終処分までの処理確認が義務づけられている。
電子マニフェストとは、そのマニフェスト情報を電子化し、情報処理センターを介して、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の三者間でマニフェスト情報のやり取りを行うものだ。そのメリットは、(1)事務処理の効率化(2)データの透明性確保(3)法令遵守の実現(4)マニフェスト交付などの状況に関する都道府県・政令市への報告が不要、の4つである。
電子マニフェストは、事務処理の効率化や産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付状況等の自治体への報告が不要となるメリットを有する
排出事業者は、自社の産業廃棄物が最後まで適正に処理されたことを確認する義務がある。紙マニフェストの場合、途中で書き換えられても気づきにくく、不法投棄等が行われても分からない可能性がある。電子マニフェストは偽造しにくく、不適切なマニフェストの登録・報告を防ぐことができる。またシステム面では、社内システムなどと連携できると共に、パソコンだけでなく、携帯電話でも収集運搬の処理報告が可能だ。さらに現在、収集運搬終了報告の手順簡便化を検討中で、今後使い勝手が一層よくなる見通しとなっている。
実際に、加入事業者の評価も高い。電子マニフェストの運営をしている財団法人日本産業廃棄物処理振興センターによるアンケート調査によれば、製造業関係のあるグループ会社では、加入によって紙マニフェストで年間3400時間かかっていた業務を400時間に短縮、約1000万円のコストを削減したとのこと。さらに、情報処理センターにある電子マニフェスト情報をダウンロードして、集計することで、廃棄物の分別を徹底、排出量削減につなげられるなど導入のメリットはかなりある。
同制度への加入業者とマニフェスト登録件数も年々増加。ここ3年間で月間登録件数は約35万件から、倍以上の約86万件へと急増している。今や電子マニフェストの利用は主流になってきたとはいえ、こうした制度をより多くの事業者が活用することで、さらなる適正処理の推進と事業者自らの経費削減に貢献することが期待される。
問い合わせ先
環境省
廃棄物・リサイクル対策部 産業廃棄物課
TEL 03-3581-3351(代表)
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