足元から動き出した資源創出とCO2削減の動き |
大量に廃棄されるパソコンやOA機器などの電子電気機器、携帯電話などの通信機器から、レアメタルやレアアースなどの貴重な有用資源を取り出すための取り組みが大きく進んでいる。廃棄物が大量に捨てられる都市は宝の山、都市鉱山であり、これを活用することで、資源小国のわが国は世界有数の資源大国になることができる。
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携帯電話やパソコンから金や銀、レアメタルを回収 |
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あるリサイクル事業者は独自のノウハウによって、トータルな資源循環を目指す事業を、東京と茨城の工場で展開している。東京の工場では金属系粗大ゴミなど様々な廃棄製品を人の手で選別、解体、機械により破砕選別処理し、専門業者に出荷する。
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人の手によって選別、回収されたコンピュータ用基板
(写真協力:株式会社リーテム) |
そこで抽出された有用な非鉄金属化合物は茨城の工場に送られ、特殊シュレッダーによる素材の分離回収システムにかけられる。このシステムは、リサイクルの原料として敬遠されがちな金属とプラスチックの複合物を一度に大量処理できることが特長だ。この過程で、鉄、アルミ、金銀銅滓、ステンレスなどの金属素材を純度高く回収する。 |
| さらに、銅貴金属・レアメタル類が含まれる回収物は精錬所に出荷される。金の場合、処理された携帯電話の廃棄物1トンから約400グラム回収できる。これは世界最高レベルの金品位がある鹿児島県菱刈金山の約10倍の金含有率であり、大量の廃棄物を宝の山に変える都市鉱山として、大いに注目される。 |

シュレッダーで細かく破砕された携帯電話のパーツ。ここから金などが精錬される
(写真協力:株式会社リーテム) |
産廃処理業者と製鉄会社との技術提携で新たな資源化 |
ある建設系混合廃棄物中間処理事業者は、廃棄物の処理プラントの建設に携わった製鉄会社と、廃棄物から有用な資源をいかに生み出すか、互いのニーズとそれに応える技術に関する意見交換を重ね、1つの製品を生み出した。それが、製鉄所の転炉で使う粉塵を利用したフォーミング抑制剤だ。 |
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転炉は高炉で生産された銑鉄を鉄鋼に転換する重要な精錬工程だが、純度の高い鉄鋼を製造するには、その中で生じる鉱滓の泡立ち(フォーミング)を防ぐ必要がある。フォーミング抑制剤には従来、主にパルプやたばこの製造過程で出るペーパースラッジを固めたものが使われていた。
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この中間処理業者では、搬入車両のダンプアップ時や、機械による選別工程などの過程で、廃棄物の中に含まれる粉塵が大量に発生する。

中間処理工場内の空中の粉塵が集塵装置で集められる
(写真協力:株式会社リサイクル・ピア) |
集塵機(バグフィルター)で集められる量は、月間120トン以上にもなり、今までは埋め立てに回されていた。その粉塵を原料にした商品の開発により、低廉なコストで代替製品を製造することに成功した。

集塵ダストから作られた製鉄副資材「エコ・フォーム」
(写真協力:株式会社リサイクル・ピア) |
環境省では、このような企業連携ができるように、コンソーシアムを作って後押しをする計画もある。
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産廃事業者ならではのアイデアでCO2削減
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企業のCSRの一環として浸透してきたCO2削減。廃棄物を処理する現場でも注目すべき取り組みが行われている。 |
| ある建設廃棄物リサイクル事業者は、170台余の全車両に、GPSによる車両位置情報管理システムを搭載し運搬ルートの軌跡を確認するとともに、デジタルタコグラフを取り付け、車1台ごとに急ブレーキや急発進、急加速等の運転状況を管理センターで把握している。それをドライバーにリアルタイムで伝える運行管理を行い、安全運転意識の向上を図っている。 |
これによって運転状態は細かくチェックされ、運転結果は毎月ドライバーごとに点数で集計され、上位者が表彰される。安全運転や省エネ運転の意識向上に役立っており、2年前と比べて燃料コストは年間3000万円ほど節約でき、事故は10分の1に減ったという。導入効果はかなりあるようだ。

GPSで細かく管理されているトラック
(写真協力:高俊興業株式会社) |
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物流面で工夫した事例もある。製品を配送する動脈物流と廃棄物を回収する静脈物流が一体化すれば、CO2削減の効果は大きいが、その一体化はなかなか難しいのが現実だ。それを実現したのが、建築物の床材などに使われる再生建材パーティクルボードの配送を担う、ある産業廃棄物の収集運搬業者である。
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パーティクルボードの原料となる廃木材は建築現場から回収されるため、製品配送の帰り便を使うことがベストだ。しかし、建材商社と床施工業者、そしてゼネコンなどの排出事業者と発注元が異なるため、同じように産業廃棄物の収集運搬業の許可を取っていても、これまで、別々の車で配送されていた。それを、同社が中心となって、排出事業者と床施工事業者に理解と協力を呼び掛け、製品配送の帰り便による、廃木材回収を実現した。これによって、運送効率の向上とCO2の排出を抑制することができた。

廃木材回収用ダンプカーに積み込まれるパーティクルボード
(写真協力:ティー・ビー・ロジスティックス株式会社) |
また、ある金属リサイクル事業者は、エコな展示会用ブースを開発した。ブース内の電力は、自社で活性化処理したリユースバッテリーに、本社工場の太陽光発電で充電した電力ですべてまかなう。使い捨てだった展示用什器や設備は、ほかのイベントでも繰り返し使えるように工夫してイベント後に出る廃棄物をほとんどなくした。このブースは、日本最大級の環境展示会で環境配慮型ブースとして認定された。

「エコプロダクツ2009」で環境配慮ブースとして認定された
株式会社浜田のブース
(写真提供:全国産業廃棄物連合会CO2削減プロジェクト事務局) |
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これらの取り組みはいずれも、社団法人全国産業廃棄物連合会が昨年実施したCO2マイナスプロジェクトで各部門賞を受賞した取り組みだが、ほかにも800を超える取り組み事例が報告されている。
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排出企業には循環型社会実現に向け、こうした先進的、積極的な事業者との連携による取り組みの強化が求められている。
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