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「廃棄物処理法」をご存知でしょうか。私たちが普段何気なく出しているごみの処理方法や処理施設・処理業の基準などを定めた法律です。今回はこの法律と私たちの暮らしとの関わりを紹介します





ごみは法律の上で一般廃棄物と産業廃棄物に大別されます。これらのごみは全国でどれぐらい排出され、どのように処理され、どのような問題を抱えているのでしょうか。Re-styleをご覧の皆様はご存じかもしれませんが、ごみは私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしています。


生活ごみの排出量は東京ドーム129杯分

一般廃棄物とは家庭やオフィスから排出されるごみで、家庭やオフィスでの生活に伴って発生します。このため「生活ごみ」とも呼ばれます。
その排出量は、環境省の調査によれば、2008年度(平成20年度)は全国で約4811万tに達し、東京ドーム129杯分に相当します。これを国民1人当たりに換算すると、毎日約1kgものごみを出している形になります。
 排出量は2000年度の5483万tをピークに減少傾向に転じており、この8年間で672万t減少しました。2000年度比約12%の減少であり、東京ドーム18杯分も減少した形になります。この大幅な減少は家庭やオフィスでのリデュース(過剰な包装は断る、無駄なものは買わない)、リユース(使えるものは繰り返し使う)、リサイクル(使用済み生活用品を廃棄しないで資源化する)など3R意識の向上によるごみ排出抑制進展が要因と見られています。

●図表1 全国の一般廃棄物排出量の推移
資料:環境省「日本の廃棄物処理 平成20年度版

 これらのごみは廃棄物処理施設で焼却、破砕、選別など中間処理によりごみの減量化を施した後、埋立てなどの最終処分が行われます。また、紙類、プラスチック類、金属類など自治体により分別収集されたごみの一部はリサイクル向けに再資源化されています。 その結果2008年度のごみ最終処分量は553万t(排出量の約11%)になりました。こちらも年々減少し続けており、2000年度と比べると498万t(減少率約47%)も減少しています。

 このように見てくると、一般廃棄物については大きな問題はないようです。ところがそうではないのです。それが最終処分場の残余容量の問題です。
 ごみの最終処分は、山間地の谷間や湾の一部に最終処分場を建設し、そこに最終ごみを埋め立てる形で処分されています。東京湾の「夢の島」(東京湾埋立14号地)がその典型です。  ごみの最終処分場は2000年度、全国に2077施設ありました。しかしその後は年々減少を続け、2008年度は1823施設となり、2000年度に比べると約12%も減っています。あとどれだけ処分できるかの残余容量も、2000年度の1億6494万㎥から2008年度は1億2184万m㎥へと約26%も減っています。
 これは、既存最終処分施設が満杯になる一方、適地の不足で新設が困難になっているのが原因です。
 最終処分場があと何年持つかの残余年数(※)は2008年度現在、18.0年あります。ごみの最終処分量の減少化に伴い、最終処分施設数の減少にも関わらず残余年数は伸びる傾向を示しています。とは言え、家庭やオフィスからごみが出続ける限り、最終処分場の残余年数が尽きるのは時間の問題です。

限りある最終処分場を少しでも長く延命させ、衛生的で快適な生活を続けるためには、家庭やオフィスの3Rの推進加速が求められています。さらに、地球環境の視点からは、ごみそのものを出さないゼロエミッション(※※)を家庭やオフィスでも推進する必要があると言われています。

●図表2 一般廃棄物最終処分場の残余容量と残余年数の推移
資料:環境省「日本の廃棄物処理 平成20年度版」

※残余年数:最終処分施設が新設されず、当該年度の最終処分量により最終処分が続けられた場合の最終処分可能年数。
※※ゼロエミッション:3Rの徹底によりごみを一切出さない資源循環型の社会システムのこと。

なくならない産業廃棄物の不法投棄

産業廃棄物とは工場を始めとする各種事業所から排出されるごみで、産業活動によって発生します。  その排出量は、環境省の調査によれば、2007年度(平成19年度)は全国で約4億1900万tに達し、東京ドーム1126杯分に相当します。生活ごみの9倍近くになります。
 産業廃棄物の場合、排出量は過去10年間相対的には横ばい傾向を示しています。これはゼロエミッションを指向した産業界全体の3R推進活動が大きな要因と見られています。
 事実、2007年度の場合、総排出量4億1900万tのうち、52%が再資源化(再生利用)されており、最終処分量は5%の2014万tに止まっています。絶対規模が異なるので単純な比較はできませんが、最終処分量率は生活ごみの半分以下になっています。再資源化量や最終処分量を過去10年のレンジで見ても、緩やかながらも再資源化量は上昇傾向、最終処分量は減少傾向を見せています。
 しかし、産業廃棄物は量が膨大なだけに、よりいっそうの排出抑制が望まれています。

●図表3 産業廃棄物の排出量推移
資料:環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成19年度実績)


●図表4 産業廃棄物の再生利用量・減量化量・最終処分量推移
資料:環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成19年度実績)

質的には生活ごみより優等生に見える産業廃棄物ですが、産業廃棄物も実は大変な問題を抱えています。それが不法投棄問題です。
 山林、河川など最終処分場以外の土地に産業ごみを勝手に捨てる不法投棄は、香川県の豊島問題に代表的なように水質汚濁、土壌汚染、大気汚染など周辺環境に深刻な被害を及ぼします。また、不法投棄地の後始末や原状回復には多大な費用がかかります。しかし、その費用回収は不法投棄者(大半は産業廃棄物排出事業者や処理事業者)の計画的倒産などにより事実上不可能なことが多く、結局は私たちの税金で賄われることになります。
 決して他所ごとではないこの不法投棄は、いったいどれぐらい発生しているのでしょうか。

環境省の調査によると、2008年度に新たに判明した不法投棄件数は308件で、不法投棄量は20.3万tに達しています。不法投棄物の種類は汚泥、廃油、廃プラスチック類、がれき類など様々ですが、このうち建設系廃棄物が件数では全体の72.5%、投棄量では全体の87.5%を占めています。
 不法投棄の新規判明件数は、1998年度の1197件をピークに急速に減少を続け、2008年度はピーク時の26%にまで低下しています。これは廃棄物処理法の度重なる改正による規制の強化、不法投棄の未然・拡大防止のための様々な対策の効果です。環境省や自治体を中心とする行政側の努力と、排出事業者や産業廃棄物処理事業者の協力の相乗効果といえます。


●図表5 新規に判明した不法投棄件数と投棄量の推移
資料:環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成20年度)



●図表6 平成20年度の不法投棄件数の内訳
資料:環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成20年度)

しかし、ピーク時より大幅に減ったとは言え、2008年度だけで308件の不法投棄が新たに発見され、不法投棄地の周辺環境や住民にさまざまな付加を負わせています。したがって、不法投棄の根絶が求められています。



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