京都では芸術文化振興のインフラとしての芸術センターの活動を紹介したが、その中の新進アーティスト支援という同じ機能を、“面白さ”や“商売”といった大阪的なノリで展開しているのが、クリーンブラザーズが運営する南堀江のSUMISOだ。
クリーンブラザーズ、直訳すると清掃兄弟。まずその掃除とアートの関係を簡単に説明しよう。
まずアーティストは、クリーンブラザーズが管理を請け負っているビルの清掃業務を行う。するとお金がもらえる代わりに、このSUMISOはじめクリーンブラザーズが運営(提携)するギャラリーやアトリエが使用できるという仕組みだ。仕事は窓拭きやトイレ掃除といった簡単なもので、1日7時間を月に2,5日のペースで行う。それを最低6ヵ月続けると約1週間の展示ができる。
このアイデアは、ビルの管理の仕事をしていたクリーンブラザーズ社長の川端さんが、空室をギャラリーとして借受け、ビルクリーニングも請け負っていくという一挙両得の仕組みとして始めたものだ。
労働の対価としてギャラリー使用のためのポイントが貯まると考えれば、ちょっとした地域通貨のようであるが、「特別にアーティストの支援や教育をするというよりも、会社として運営していきたいと考えています」とのこと。大きな利益が出るわけではないが、実際にうまく回っているそうだ。
そして何といってもおもしろいのが、ギャラリーとしてだけでなく、アトリエやオフィスとしても使われているこのSUMISOの建物。名前の由来そのまま、住倉興産が運営する倉庫の二階だ。
二階といっても、木材などの貯蔵に使われていたという倉庫の二階は普通の建物の四階分ぐらいありそうだ。
非常階段のような外部階段を上ったところにあるエントランスまでとにかく遠い。体を屈めないと入れない緑の小さなゲートと、奥へ行くほど狭くなっている敷地の形がその距離をさらに強調している。
中の展示スペースはいくつかのブースに分けられていて、様々な規模の展示に対応している。ファッションショーを行うためにランウェーを自作した人もいるそうだ。
ミナミに近い好立地の割に賃料が安いという事もあるが、ゴツゴツと無機的な巨大建造物とギャラリーという意外性に魅力を感じて展示を行うアーティストが多いそうだ。
「最初はもっと作品制作のアトリエとして使ってもらうつもりやってんけどね。」と川端さん。
毎年夏には作品の製作過程も公開するアーティスト滞在型のイベントを行ったり、絵画教室を開いたりしている。会社といっても、ここはアートを通して人が成長し交流していく場所になっている。
さて、クリーンブラザーズでは、こことは別に、ビル管理業務であまりの悪条件で借り手がつかないと相談を受けた余り部屋を使って「KANSO」というバー(?)も営業している。「水もガスも無かったんで缶詰でも出そかと。」これもどうやら川端さんのアイデアらしい。古い建物を使わせたら一番かも!
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