今回はラジオと環境の関わりについてお伝えします。前回の雑誌メディアは、ライフスタイルの提案が主であった。しかし、ラジオは音によるメディア。そのため、環境と音楽を深く結びつける番組が主体となる傾向が強い。良き音楽を通じて、良き環境への思いを高めてもらおうという考えの番組が急増している。
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| 「Re-Style LIVE」終了後、3Rへの関心を高めたお客さんが、時間を忘れて各ブースを見つめていた。 |
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その先駆けであり代表格が、このRe-Styleと深く強く関係を持たれている、やまだひさし氏がパーソナリティーを務めている「やまだひさしのラジアンリミテッドDX(JFN/TOKYO
FM系列)」。この番組で、Re-Styleの3R精神に賛同してくださったアーティストの方々が、あの「Re-Style
LIVE」に参加してくれていることでも、皆さんご存じのはず。ラジオ番組と環境活動への関わりがこれほど顕著に表れているものは他に無いかも知れない。事実、Re-Style
LIVEに参加してくださった皆さんは、会場で、リユースカップの存在やリサイクルの意義、ごみを極力出さないリデュース生活の方法など、多くの事柄を良き音楽とともに心に留めてくれているという。
前回のRe-Style LIVEにやって来た女性はこう語っていた。「大好きなアーティストの音楽を楽しみながら、ごみのことを考えるのはどうかと思っていたけど…。このライブで、気持ちが変わった。ドリンクをリユースカップで飲むだけなんだけど、音楽を聴いている時みたいに、なんか気分いい。これからも楽しみながら3Rってのが続けられそう!」。このように、音楽を楽しむことで3R、引いては環境への関心度を高めることに繋がる形が如実に表れている。
このような成功例は、各地にたくさんあるわけではないが、全国の民放ラジオ各局でも最近は、ホリデースペシャルという特別番組などで、特に音楽と環境の融合が頻繁に試みられているようだ。その多くは、やはりライブ形式の番組で、地元の名所などをステージにしている。これにより、音楽を楽しむと同時に、保全すべき地元の風景を印象づけ、環境活動への好奇心を高めてもらおうという考えだ。これらの取り組みは、ステーションとリスナーの距離感が近い、つまり情報発信者と受信者の相関関係が密であるラジオメディアならではの効果的な演出であろう。
一方、近年では、音楽と環境の融合を強く意識した大手民放ラジオ局だけでなく、地域密着型のコミュニティーFM、特定地域に根ざした情報提供をするインターネットラジオという形で、3Rや環境への関心を広める傾向も見受けられる。

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左:「京都三条ラジオカフェ」の収録風景、この番組では地元のお坊さんがパーソナリティを務める。
右: 「京都三条ラジオカフェ」は、昭和3年に建設され、京都市指定文化財となっていた「毎日新聞京都支局ビル」という歴史ある建物内にある。 |
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その中で、コミュニティーFMの代表格として紹介したいのが「京都三条ラジオカフェ」。市民が会員となり、その会費で運営される非営利放送局で、「環境FM」を作ろうとしていた学生グループの発案によって作られたラジオ局である。当時、一般のマスコミから漫然と伝えられる環境報道をもっと明確に伝えたいとする想いから、地域情報を主体として発信するコミュニティ放送局を立ち上げることとなった。それだけに、放送内容は“ラジオカフェ”の起源である「市民」「地域」「環境」に根づいた発想のものが多い。これにより、地元で様々なムーブメントが生まれ、どの番組もこれまでのラジオ局では考えられない企画をリスナーに提供している。京都三条ラジオカフェ創設に携わった福井文雄さんは「本当の情報は現場の声を聞かなければわからない。つまり、様々な活動に従事している市民が、直接、番組を制作して放送することが重要だと思うんです。“ラジオカフェ”は、京都のコミュニティ放送局ですが、私たちのラジオ制作を基盤に、全国のコミュニティ活動を支え、つなげていきたいです」と語る。地元地域の情報をその現場に携わる人々の意見によってリアルに伝えることで、環境への興味、関心度を高める手法をとっている。
同様に地域の情報を密に提供することで、環境への関心を引くラジオ局として、いまや多く普及し始めたインターネットラジオから「RadioKisar(ラジオキサラ)」をご紹介する。この放送局は、日本初のエコロジー専門のラジオ放送局として、2004年7月に開局。正直、環境を訴えるために出来たラジオ局である。世界遺自然遺産の知床から世界に向けてエコ情報を発信するというもので、世界的にも貴重な知床自然保護地域やその周辺の自然情報やエコツーリズムを提案することにより、地球規模の環境意識の啓発に寄与することを目的としている。ちなみに「キサラ」は、アイヌ語で「耳」の意味。それだけに、アイヌ文化という日頃接したことのない生活感を学びとることもできる。
いずれにせよ、ラジオメディアは、雑誌やテレビとは違い、地域に根ざし、リスナーに必要な情報を提供することによって、環境への興味をかき立てる手法が多く取り入れられていることは間違いない。
撮影と文・黒須一彦 |